2010年11月19日
奏生の奏法…「卓弾き」
突然ですが、「奏生(かない)」について書きます。
我が家の奏生2本、大きさが違って見えますがおんなじ「旧型奏生」です。
(2009年からモデルチェンジしているのですがわたしはまだそちらは持っていません)
上が「かなちゃん」、シリアルNo「0025」つまり製造開始してからまだ25本目の、たぶん「最初のロット」に含まれる楽器。
トップ(表板)は一般的なスプルースではなくてシダー。
下のは割と最近(と言っても昨年)手に入れた「ちゃなちゃん」、BSの色の楽器。
ストラップについて…「かなちゃん」は「フラット・マンドリン用」、「ちゃなちゃん」には「三線用」を使っています。
フラットマンドリン用は首~肩にかけるのではなく右肩にかけるだけです。
ついでにもう一つ比較。
かなちゃんのヘッド
ちゃなちゃんのヘッド
結構色が違います。決して「光の加減」とかではなく、かなり個体差が激しいのです。
さて、この「奏生」ですが、実は発売された時にこんな「うたい文句」がありました。
「赤ちゃんのかかとがついているから置いて弾くこともできます!」
写真のヘッドの上部についている「コブ」のようなものが「赤ちゃんのかかと」だけど、もはやそんな宣伝を知らない人も多いので「コブ」としか呼ばれない場合が多く、チューニングの時にチューナーのクリップを挟む場所が足りなくなってしまって「邪魔だ」ということで取り去ってしまう人もいるらしいです。
実際、わたしも本当に置いて弾いている人は見たことがありませんでした。
ところが!!
三島のクラスを開講する時、こんな問い合わせがありました。
「病気で手があまりうまく動かないのですが大丈夫でしょうか?」
わたしは、正直言って調子よく「もちろん大丈夫ですよ!」と答えてしまいました。
「置いて弾くことができる」というのは知識としては知っていたし、一応自分でもやってみて「できないわけじゃない」ぐらいのことは経験があったからです。
問い合わせた方が受講に見えました。
この方は既に奏生をお持ちでした。
最初は、奏生を抱えて弾こうとしていましたが、どうもうまくいかないようです。
「もしかしたらこんな方にこそ置いて弾くのが向いているんじゃないか?」
と考えました。
で、実際にやってみました。
「これなら弾ける!」とその方は大変喜んでくださいました。
ところで、この弾き方にはまだ名前がありません。
「置いて弾く」ので「置き弾き」……ううっ、なんだかものすごく語呂が悪い。まるで犯罪みたいじゃん(苦笑)
で、なんとかして良い名前を付けようと、その方やクラスの他の方たちと一緒に考えました。
「テーブル・プレイなんていうのはどう?」
「いやそのなんとかプレイってどことなくヘン(いやらしい)んじゃない?」
……「じゃ、それ訳しちゃおう!(笑)テーブル=卓、プレイって要するに『弾く』ことなので、『卓弾き(たくびき)』にしたら?」
ということで、決定!
その方、T川さんは、以前にも楽器を何かやってらっしゃったようで、飲み込みがとても速いのでした。
10月の三島でのライブでは、最前列で(座ってテーブルに置いた奏生を演奏するのでどうしても最前列になっちゃうからでもあるんですが)、見事に「涙そうそう」のメロディー弾きをこなされました!
ただ、まだまだ課題はあります。
やはり左右の手のフォームが確立していないので、無駄な動きが多くて疲れやすいのではないか、ということ。
あと、高いチューニングだとやっぱり押さえにくくなってしまうので、一五一会や音来と同じ「一五F」のチューニングにしています。
これだと、弾きやすいことは弾きやすいのですが、さすがに音色はちょっと損ねてしまいます。
慣れてきたら高いチューニングも、と思うけれど、まだちょっと厳しいかなあ……
一応、今のところの右手左手それぞれのフォームを写真添付しておきます。
(10/16の写真があれば、と思ったのですが、とりあえずは見当たらないしまだご本人にも承諾を取っていないので、わたしの手でカンベンしてください……)
特に左手が難しいです。
おそらく、「箏」の弾き方(押さえ方)とだいぶ似ているところがあるのではないか、と思われますが、あいにくわたしは箏を演奏した経験がまったくありません。っていうか触ったこともなかったりして。
ともあれ、せっかくの「赤ちゃんのかかと」、生かしてやらない手はないでしょう。
あ、そうそう、一つ思い出した。
「赤ちゃんのかかと」はなるべくボディの底板と同じところに突くように作ってはあるのですが、実際には弦を張った時のネックの反りなどもあって結構ずれてしまって、演奏の際にガタガタ言ってしまうことが多いです。
で、「かかと」の下に何か敷いてやればガタガタは収まるのですが、下に敷くのは名刺入れ、交換弦の包装(外袋と内袋)、でもなんといってもいちばん良い音になるのは、お札を数枚……(笑)
我が家の奏生2本、大きさが違って見えますがおんなじ「旧型奏生」です。
(2009年からモデルチェンジしているのですがわたしはまだそちらは持っていません)
上が「かなちゃん」、シリアルNo「0025」つまり製造開始してからまだ25本目の、たぶん「最初のロット」に含まれる楽器。
トップ(表板)は一般的なスプルースではなくてシダー。
下のは割と最近(と言っても昨年)手に入れた「ちゃなちゃん」、BSの色の楽器。
ストラップについて…「かなちゃん」は「フラット・マンドリン用」、「ちゃなちゃん」には「三線用」を使っています。
フラットマンドリン用は首~肩にかけるのではなく右肩にかけるだけです。
ついでにもう一つ比較。
かなちゃんのヘッド
ちゃなちゃんのヘッド
結構色が違います。決して「光の加減」とかではなく、かなり個体差が激しいのです。
さて、この「奏生」ですが、実は発売された時にこんな「うたい文句」がありました。
「赤ちゃんのかかとがついているから置いて弾くこともできます!」
写真のヘッドの上部についている「コブ」のようなものが「赤ちゃんのかかと」だけど、もはやそんな宣伝を知らない人も多いので「コブ」としか呼ばれない場合が多く、チューニングの時にチューナーのクリップを挟む場所が足りなくなってしまって「邪魔だ」ということで取り去ってしまう人もいるらしいです。
実際、わたしも本当に置いて弾いている人は見たことがありませんでした。
ところが!!
三島のクラスを開講する時、こんな問い合わせがありました。
「病気で手があまりうまく動かないのですが大丈夫でしょうか?」
わたしは、正直言って調子よく「もちろん大丈夫ですよ!」と答えてしまいました。
「置いて弾くことができる」というのは知識としては知っていたし、一応自分でもやってみて「できないわけじゃない」ぐらいのことは経験があったからです。
問い合わせた方が受講に見えました。
この方は既に奏生をお持ちでした。
最初は、奏生を抱えて弾こうとしていましたが、どうもうまくいかないようです。
「もしかしたらこんな方にこそ置いて弾くのが向いているんじゃないか?」
と考えました。
で、実際にやってみました。
「これなら弾ける!」とその方は大変喜んでくださいました。
ところで、この弾き方にはまだ名前がありません。
「置いて弾く」ので「置き弾き」……ううっ、なんだかものすごく語呂が悪い。まるで犯罪みたいじゃん(苦笑)
で、なんとかして良い名前を付けようと、その方やクラスの他の方たちと一緒に考えました。
「テーブル・プレイなんていうのはどう?」
「いやそのなんとかプレイってどことなくヘン(いやらしい)んじゃない?」
……「じゃ、それ訳しちゃおう!(笑)テーブル=卓、プレイって要するに『弾く』ことなので、『卓弾き(たくびき)』にしたら?」
ということで、決定!
その方、T川さんは、以前にも楽器を何かやってらっしゃったようで、飲み込みがとても速いのでした。
10月の三島でのライブでは、最前列で(座ってテーブルに置いた奏生を演奏するのでどうしても最前列になっちゃうからでもあるんですが)、見事に「涙そうそう」のメロディー弾きをこなされました!
ただ、まだまだ課題はあります。
やはり左右の手のフォームが確立していないので、無駄な動きが多くて疲れやすいのではないか、ということ。
あと、高いチューニングだとやっぱり押さえにくくなってしまうので、一五一会や音来と同じ「一五F」のチューニングにしています。
これだと、弾きやすいことは弾きやすいのですが、さすがに音色はちょっと損ねてしまいます。
慣れてきたら高いチューニングも、と思うけれど、まだちょっと厳しいかなあ……
一応、今のところの右手左手それぞれのフォームを写真添付しておきます。
(10/16の写真があれば、と思ったのですが、とりあえずは見当たらないしまだご本人にも承諾を取っていないので、わたしの手でカンベンしてください……)
特に左手が難しいです。
おそらく、「箏」の弾き方(押さえ方)とだいぶ似ているところがあるのではないか、と思われますが、あいにくわたしは箏を演奏した経験がまったくありません。っていうか触ったこともなかったりして。
ともあれ、せっかくの「赤ちゃんのかかと」、生かしてやらない手はないでしょう。
あ、そうそう、一つ思い出した。
「赤ちゃんのかかと」はなるべくボディの底板と同じところに突くように作ってはあるのですが、実際には弦を張った時のネックの反りなどもあって結構ずれてしまって、演奏の際にガタガタ言ってしまうことが多いです。
で、「かかと」の下に何か敷いてやればガタガタは収まるのですが、下に敷くのは名刺入れ、交換弦の包装(外袋と内袋)、でもなんといってもいちばん良い音になるのは、お札を数枚……(笑)
Posted by さとばな at 17:25│Comments(4)
│奏生(かない)
この記事へのコメント
こんにちは、一五一会でグーグルの検索をしたところ、こちらの話題を見つけました。
奏生を机の上において弾く弾き方ですが、スライドバーとサムピックでワイゼンボーンっぽく弾くのはどうでしょうか。
奏生を机の上において弾く弾き方ですが、スライドバーとサムピックでワイゼンボーンっぽく弾くのはどうでしょうか。
Posted by hoku at 2010年11月23日 13:36
>hokuさん
コメントありがとうございます!
>スライドバーとサムピックでワイゼンボーンっぽく弾くのはどうでしょうか。
なんと、かっこいい!
hokuさんはやってらっしゃるんですか?
ならばぜひお聴きしたいです。
わたし自身はそういいタイプの弾き方をした経験は少なく、一五一会ベーシックでならやったことはあります(ボディバックが平らなのでテーブルに置いた時安定しやすい)が、奏生ではまだです。
ナイロン弦にスライドバーはあんまり合わないのでは?と思っていたので……先入観?ですねー。
一度やってみたいですね。
ま、ワイゼンボーンみたいな音やスライドギター特有のフレージング(サンドを多用する)は、一五チューニングではとてもやりにくいので、新たに一五ならではのフレーズを生み出していくことになりそうではありますが。
コメントありがとうございます!
>スライドバーとサムピックでワイゼンボーンっぽく弾くのはどうでしょうか。
なんと、かっこいい!
hokuさんはやってらっしゃるんですか?
ならばぜひお聴きしたいです。
わたし自身はそういいタイプの弾き方をした経験は少なく、一五一会ベーシックでならやったことはあります(ボディバックが平らなのでテーブルに置いた時安定しやすい)が、奏生ではまだです。
ナイロン弦にスライドバーはあんまり合わないのでは?と思っていたので……先入観?ですねー。
一度やってみたいですね。
ま、ワイゼンボーンみたいな音やスライドギター特有のフレージング(サンドを多用する)は、一五チューニングではとてもやりにくいので、新たに一五ならではのフレーズを生み出していくことになりそうではありますが。
Posted by さとばな at 2010年11月23日 18:33
奏生をもってるんですが、スライドバーは使ってみたいと思いつつ、まだ試してない段階です。
スライドバーじゃなくても、上から押さえやすい道具があればいいのかなと。
既存のものだと、スライドバーが一番押さえやすいのかなと思った次第です。
スライドバーじゃなくても、上から押さえやすい道具があればいいのかなと。
既存のものだと、スライドバーが一番押さえやすいのかなと思った次第です。
Posted by hoku at 2010年11月23日 21:57
>hokuさん
なるほどー!
難しいことをするのではなくても、スライドバーを使って押さえれば楽かもしれませんね。
>スライドバーじゃなくても、上から押さえやすい道具があればいいのかなと。
確かに、そういうことですね。
ただ、これもやってみなければわかりませんが、しっかりしたスライドバーだと音程がシビアになりすぎて、もしも初心者の方が「楽に押さえられるから」というだけの理由で使ってもうまくいかないところがあるかもしれませんよ。
今出先なので、帰宅したらやってみますね。
なるほどー!
難しいことをするのではなくても、スライドバーを使って押さえれば楽かもしれませんね。
>スライドバーじゃなくても、上から押さえやすい道具があればいいのかなと。
確かに、そういうことですね。
ただ、これもやってみなければわかりませんが、しっかりしたスライドバーだと音程がシビアになりすぎて、もしも初心者の方が「楽に押さえられるから」というだけの理由で使ってもうまくいかないところがあるかもしれませんよ。
今出先なので、帰宅したらやってみますね。
Posted by さとばな at 2010年11月23日 22:46