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2010年06月04日

会津里花のオリジナル曲について

今、新曲ができた。

で、一言ブログに書こうかな、と思ったら、ふさわしいカテゴリーがない。

そういえば、どっかに書いたような気もするけれど、わたしがオリジナル曲をどうやって作っているか、まだこのブログには書いてなかった。

わたしは、自分のオリジナル曲を、2005年以降は一五一会を使ってコードやリフをとりながら作曲している。
で、他にも、ギターやピアノでも作曲できないわけじゃないんだけど、それは一切止めてしまった。

……いや、違う。
それまで10年以上、ずっと曲なんか書けなかったのに、一五一会を持ったら急に浮かんできてしまったのでためしに作ってみたら、それ以来(相変わらず寡作ではあるけれど)ぽつりぽつりとながら曲ができてきて、ならばほかのやり方はしないでこれで行こう、と決めて今に至る、というのが本当のところだ。
作った曲は、ここ5年弱でだいたい20曲ぐらい……いや、お話にならないくらい少ないのはわかるけど。

曲って、わたしの中で「何かが動く」ことがないと、絶対に出てはこないんだもん。
一五一会を手にするまでは、ギターでもピアノでもこんなにまで1音1音を大切に弾くことはできなかったし、自分にとって「何かが動く」ところまで、なかなかいけなかった。

そういえば、1980年代後半に何曲か立て続けにできたことがあったけれど、その頃にちょうどわたしは知り合いのミュージシャンからK.Yairiの10万円くらいするギターを「モニター」として貸してもらっていたのだった。
あのギターの音は本当に良くて、いつまで弾いていても飽きなかった……
要するに、贅沢かもしれないけれど、ある程度以上の品質の楽器でないとわたしの曲作りの感性を動かせない、ということのようだ。
この考えはわたし実はもともと大嫌いで、曲ができるのと楽器の良し悪しなんて関係ないだろう、「弘法筆を選ばず」って言うじゃん、と思っていたのだけど……よくよく考えてみれば、裏を返すと「筆を選ばず」ができるのは弘法大師様だからこその話で、もっと下手くそな凡人はその人なりに「より良い筆」を選んでその筆の力も借りなければ、まともな文字も書けない、ということにもなるじゃないか。

だから、いいんですよ、凡人で。
道具に左右されるような出来で。

それにしても不思議なのは、「ある程度以上の品質」を満たしてくれると、その後飽きることがない、ということ。
そりゃ、もっといい音の楽器、と思ってしまうことが全くないとは言わないけれど。
まず、今ある楽器、一五一会のベーシックや音来、奏生の持つ固有の音に慣れて、できればこの楽器の持つ最高の音が出せるようになりたい!なんて思ってしまうのだ。

ちょっと楽曲の話からずれる(したぶん同じ話を別のところにも書く……書かなければいけない)のだけれど、

「一五一会の音」って、まだ決まってもいないんだよね。

楽器ができてからまだ8年。(売り出したのは2003年だったけど楽器そのものは2002年に完成していた)
きっと、ヤイリギターが設定している「楽器の音色」はあって、そのレベルはクリアしているんだろうけれど、この楽器のことを知らない人があくまでギターだけを基準にして音色を判断したら、「ちゃちなミニギター」にしか聞こえないだろう。

この楽器で「名演奏」と呼ばれるような音を少しずつ、コツコツと積み重ねていって、それが多くの人(プロとかばかりじゃなく世間一般の人々)から認められるようになって、初めて「一五一会の音」はできあがるのだと思う。

……ま、ギターにしてから、「最良の音」については人それぞれに価値観も感性もあるのだから、と言われればそれまでだけれど、少なくとも「最低こういう音」みたいなものはあるだろう。
(でなければギターとマンドリンを区別する意味も、スチール弦の楽器とクラシックギターやフラメンコギターを区別する意味も、なくなってしまうだろう)
一五一会は、そういう意味では「ギターの音色」の基準からは「外れた」楽器なのだ。
また、そうあるべきだ。

……はっきり言って、くどくどした理屈はいらない。
こうやって長々書いてきたのも、結局のところ、わたしがこの楽器の音色をとことんまで「大好き」だ、ということでしかない。
ギターのような、マンドリンのような、でもまだ世界にはなかった音。
BEGINや山田直毅さんなどのCDを聴けば、ある程度はその音色がわかるだろう。
でも、本当のところは、自分で、或いは目の前で、実際に弾いている音を聞かなければ、わからない。
それは、他のどんな楽器とも、同じこと。
わざわざ言わなければならないのは、たまたま一五一会はまだほとんどの人が実際に弾いた「生の音色」を聞いたことがないから。

まあ、楽器店でちょっと試奏したぐらいじゃ、本当のところはわかりません。
だって、みんなまだ知らないじゃん。
ギターだったら、周りにたくさんの「お手本」がいるけれど、この楽器にはそれがないもんね……


あーあ、また長々と。
言葉は邪魔だ。
この記事読んで、わたしが意図するのと逆の読み方する人だって少なくないだろうに。

ま、そこはそれこそ、「一期一会」っていうことで。


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この記事へのコメント
新曲できたのですね!
ライヴで披露してくださるのを、楽しみにしています。

ところで、沖縄の曲が望ましいんだけど、アカペラで簡単に歌える曲ってないかな?
こういうこと考えてると、楽器弾けるといいなあ、と思ってしまいます。
弾き語りできる会津サンが羨ましい!!
Posted by やまゆりやまゆり at 2010年06月05日 00:44
>やまゆりさん

コメントありがとうございます!

>ライヴで披露してくださるのを、楽しみにしています。

ライヴ、来てくださいね。
といっても、今は次の東京ライヴは10月まであいちゃうんですが。

>ところで、沖縄の曲が望ましいんだけど、アカペラで簡単に歌える曲ってないかな?

そうですねー。
わたしは『てぃんさぐぬ花』や『月ぬ美しゃ』ならアカペラでもいけると思うし、わりと簡単な方かな、と思うんですが。
(前者は沖縄本島のわらべうた、後者は八重山民謡です)
でも、うーん、結局は「唄を覚える」のがいちばんかと。

楽器は、そりゃ弾けたら楽しいですよ。
でも、「唄三線」っ
ていう言葉があって、唄を覚えることがとても大切なんです。
その手始めは、上に挙げた唄でもいいし別の唄でもいいから、とにかくある唄を「好きになる」ことがだいじですよ。
Posted by さとばな at 2010年06月07日 06:27
 
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プロフィール
さとばな
さとばな
一五一会伝道者(ケイティクラブ公認インストラクター)、トランスジェンダー(ポストオペMtFバイ)。静岡出身。静岡大学合唱団いぶき卒、中央合唱団研究生を経験。萩尾望都他漫画好き。
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