2010年01月05日

シュミ。

音楽は「仕事」なので、どうしても他に「趣味」がほしくなる。
ま、あんまりそれにかまけてる時間はないんだけど(だから昨年暮れの「萩尾望都原画展」にもとうとう行けなかった…ってそれはお金がなかったからじゃん!!ぐはぁっ)

というわけで、わたしの「趣味」は、
1.漫画(主に昔「少女漫画」と呼ばれたジャンル…男性向けはちょっと苦手なのが多くなってきちゃった)

2.地理、歴史、言語…といってもたかがしれてるけど。

んで、後者を楽しむために、10年くらい前(って20世紀かよ!?)の高校生向けの地図帳(なぜか山川出版社や吉川弘文館ではなく東京書籍版)を引っ張り出してきて、それを大枚はたいてカラーA3拡大コピー(1枚80円!)し、寝室の壁(というか入り口と押入の襖)に貼り出した。

1枚は「南西諸島」、つまり奄美〜沖縄〜宮古・石垣(先島)。

1枚は、その南西諸島を含み、「東シナ海」をだいたい真ん中にした図。
おぉ、太古の「東シナ海文化圏」が偲ばれる……!

あと2枚は、続きのページをコピーして並べて貼った。
それは、実は「チュルク語群」(つまりトルコ語の仲間)の話されている地域をカバーする「ユーラシア北部」という地図だったんだけど、その右端にはギリギリ日本がやや見切れるくらいに入っていて、日本海を取り巻く「北東アジア文化圏」がほぼ入っていた。

こういう、歴史上は全く出てはこず、考古学によって最近ようやくわずかな手掛かりが見えてきた程度のものに、わたしはなぜこんなにも惹かれるんだろう……?


実はわたし、自分の顔立ちのことを気にしているんですよ。
ややつり目気味、一重の瞼。
細い顎にやや高い鼻。
わたしの祖先はどこから来たんだろう?

わたしは残念ながら「天孫光臨」をそのまま信じることはできず(ついでに言うと「創世記」も言葉どおりには受け入れられず、絶対に「現代的解釈」が必要だと思ってるんだけど)、そうなるとどうしても、なんとかして「自力で」知りたい、と思うようになってしまうのだった。

いや、うちの家族、割合目がぱっちりしている人が多かったから、一人だけつり目で一重瞼って、小さい頃から気にしてたんですよ。
それが、わたしの「ルーツ探し」の原点。
コンプレックスなだけに、しつこい(笑)

どうも、縄文系先住民(アイヌも含む)にはあまり近くないようだ……
やはり大陸からの渡来系?
などと、実は小学校の頃には思うようになっていて(弥生時代の遺跡が地元にあるもんで(笑)、そうこうするうちにわたしは思い込むようになっていた。
「わたしの祖先は中国の北のどこかからやって来たに違いない」……いや、何の根拠もないんだけど。

そしたら、たまたまわたしが勝手に「自分の祖先は」と言ってるあたりって、昔「ウラル・アルタイ語族」と呼ばれた言語を話す民族が住んでるところと、ほぼ重なるじゃないの!
ツングース語、モンゴル語、そうしてトルコ語をはじめとする「チュルク諸語」。
それに、フィン語、マジャール語などの「ウラル語群」。
(説がもてはやされた頃には「日本語も含まれるのでは」と注目されたが、言語学的にはそう判断するのは無理、と判明。
また、韓国・朝鮮語も、わたしはずっと「含まれる」と思っていたけど、こちらも残念ながら断定できないらしく、さらにトホホなことに「ウラル・アルタイ」とまとめることはおろか「アルタイ語族」というまとまり自体に対して疑問視する声も強くなって、最近ではその呼び名を使うだけでも「時代遅れ」と思われてしまうらしい……ふんっ、あたしゃ専門家じゃないもーん!ただの「シュミ」だもーん!)

チュルク諸語には、当然小アジアのトルコ語も含まれる(しそれがいちばん知られている)が、実はそこはむしろ最も西の「移住地」で、もともとは中央アジアのアラル海東岸あたりが原住地だったらしい(吉川弘文館『世界史地図』より)。
なので、現代ずばり「トルコ語」と呼ばれる言語以外に、アゼルバイジャン語、トルクメン語、ウズベク語、カザフ語、キルギス語、トゥバ語、ウイグル語、ヤクート語、タタール語、バシュキール語、あ、それにアルタイ語(という単一言語もちゃんと存在する)など、かなりたくさんの言語がある。
中にはこれらの言語相互の関係がかなり近いことから、全体的にこれらを「チュルク語の方言」と見なしても差し支えない、という説もあるほどだそうだ(Wikipediaに頼った(笑)。

チュルク語は日本語と文法構造がかなり似ているし、発音もそんなに難しくないし(ハングルできればだいたい同じぐらい)、ほとんど日本語と重ならない単語さえなんとかなれば、習得できそう?

よーし、チュルク語がなんとかなったら次はモンゴル語、それからツングース語…いや待て、それは現代の中国東北部ではそんなに役には立たないぞ?(よほどかの地のその言語を使う村落共同体にとけ込もうとでもしない限り)
かつての傀儡国家「満州国」でも、はたしてどれほどの地位を得ていたことか。
むしろ現代中国語をちゃんとやった方が。(でも実は何度かやろうとはしているんだけど、苦手意識ばかりが強まってしまう……英語ほどじゃないはずなんだけど、日本語とは割と距離のある言語だから…っていう思い込みがあるからでしょうね、きっと)

あとは、韓国語ももっとちゃんとやって、せめて旅行ぐらいはできるように……

そしたら、わたしは韓国から北朝鮮を通って中国東北部をぬけ、モンゴルからまずトゥーバ、カザフ、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンとたどり、アゼルバイジャンからちょこっと苦労してアルメニア領内を抜けてトルコに達する大旅行をしよう!!
帰りにはサハも回り、きっとわたしのかつて(って何百年前?(笑)の「同族」がいる(と思い込んでいる)土地を眺め、そこの人々となんとかして会話を交わしてこよう!
……って、妄想に耽るのでした(笑)

……わたしが日本人でありながら日本の「周縁」にあれこれこだわるのは、「独りぼっちじゃ寂しい」から。
日本語が「孤立言語」と言われている(いた?)のも、わたしにはある意味「コンプレックス」だ。
まあ、もっとも最近は、いわゆる「インド・ヨーロッパ語族」みたいにあまりにも単純に「一つの同じ祖先」にまとめられちゃうのも、なんだかむしろ味気ないな、という気もするようになってきたけど……


さて、南西に目を転じれば、日本語にとって今わかっている限り唯一と言って良い「同族」である「琉球語」がある。
おそらく、上に挙げたようなユーラシア大陸の緒言語とはかなり趣が異なるだろうけれど、数百年前に歴史に現れた(ただしおおかたは「顰蹙を買う存在」として)「和冦」を最後として姿を消した「東シナ海民族」というのがあって、日本語の一部も含めてかなりお互いに意志疎通のできる共通の言語を持っていたのではないか……
台湾の先住民にも、もしかしたらその末裔がいたかもしれない!
あまりにも日本語と似ているせいで、日本の植民地となっていち早く日本語や日本人に「馴染む」ことに成功してしまい、代償として本来持っていた言語は捨ててしまった……そんなこともあったかもしれない。と、これも妄想!根拠はほとんどない(いや自分の実体験とかいろんな説とか、ないわけじゃないけど、出典は明らかにできないし記憶も曖昧できっと自分の都合の良いように作り替えてしまっているだろうし)


……そうして、そこに「音楽」や「楽器」の変遷や共通性を見出すと、そこから先は自分の「仕事」の世界。
いや、別に無理して境界線引く必要もないだろう。

寝室で壁の地図を眺めながら、ぼわわ〜んといろんなことを妄想するのは、本当に楽しい!

きりがないので、このくらいにしておこう。


同じカテゴリー(音楽全般・雑談)の記事
ビートルズの季節
ビートルズの季節(2013-11-19 10:34)

Re: 「暗譜」について
Re: 「暗譜」について(2013-09-26 06:18)


Posted by さとばな at 13:14│Comments(0)音楽全般・雑談
この記事へのトラックバック
アルタイって、知っていますか? アルタイ? なにか知ってはいるような気がして思いだしてみると、アルタイ山脈ということばがうかんできました。 西シベリアとモンゴルにまたがる山...
すてきなアルタイ人【ライフスタイルblog彩り】at 2010年01月18日 10:57
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

プロフィール
さとばな
さとばな
一五一会伝道者(ケイティクラブ公認インストラクター)、トランスジェンダー(ポストオペMtFバイ)。静岡出身。静岡大学合唱団いぶき卒、中央合唱団研究生を経験。萩尾望都他漫画好き。
< 2024年04月 >
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 3人